社会を変える方法、コミュニティオーガナイジング②【社会を見る目が変わる】

おはようございます。”おこめさん”です。

コミュニティオーガナイジングって…

知らない人は多いかもしれませんが、すっごい方法なんですよ。オバマ大統領を生み出したオバマキャンペーンが代表例です。

社会はぼくたちでかえることができる!

その方法だけでも知っておくことは大事なことだと思います。

ということで、学校では教えてくれない「社会の変える方法論②」です。

前半はこちら

概要はこちら

参考

コミュニティ・オーガナイジング――ほしい未来をみんなで創る5つのステップ

※ここでいう学校では教えてくれないというのは、公教育の土台の中にこのカリキュラムが組まれていない(そんな隙間がない)ということで、熱心な先生の中には個人的に伝えている方もいらっしゃいます。ただ、仕組みとしてはそうなっていないよね という問題提起も含めてです。

おこめさん→現在育休中の2児のパパ。教員10年目。2021年4月に独立し、オンライン塾を開校予定。

これまでのおさらい

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簡単にまとめておくと

・コミュニティオーガナイジングとは、これまで世の中を変えてきた様々な社会運動を分析し、それらを理論的に体系的にまとめた手法のこと

・全体の流れは①ストーリーを語る ②一人ひとりと関係性を築く ③強いチームとしてまとまる ④戦略 ⑤行動計画 です。

・このうち①~③までは前半で解説したので、今日は④⑤についてまとめていきます。

戦略

ここでいう戦略とは

私達が持っているもの(資源)を必要な力に変えほしいものを手に入れること

です。

ここでは戦略を考えるための5つのステップを紹介します。

1、誰を巻き込むか
2、ほしい変化は何か
3、どうしたら持っているものを必要な力にかえられるか
4、戦術は何か
5、行動計画は何か

1、誰を巻き込むか

いきなり「日本中の若者」や「地域住民全員」を巻き込むことはできません。

ある程度絞る必要がでてくるということです。

例えば、
同じ地域の○丁目のお母さんたち
○市の小学校のPTAの皆さん

といった具合です。

ここでのポイントは問題を抱えている当事者を巻き込むことです。

共感を得て支援してくれる人というよりは、自分が実際に被害にあっていて、悩んでいて、という人が立ち上がることによって、自分たちの手で問題を解決し、自分たちが力をつけていくことにつながるからです。

2、ほしい変化(戦略的ゴール)は何か

先ほどと同様絞るということが重要です。

格差社会の是正
→非正規社員と正規社員の格差是正
→非正規社員と正規社員のボーナスの有無による格差を是正する

このように絞っていくことによって、当事者の問題意識も絞れたり、みんなの力を集中させることができるからです。

途中で思っていたことと違う…こんなために動きたかったわけじゃない

というようなすれちがいも防ぐことができます。

さらにポイントは
・参加したくなる
・一人ひとりが持っているものを最大限使える
・この活動によってみんなの実行力が増す
・同じ問題を抱える他の人達も真似できる

です。

あるアメリカの例では
「市の住宅予算を増やす」というゴールを設定するも、住民があまり参加してくれなかったそうです。
よく話を聞いてみると、住民は予算を増やすことよりもまず安全に郵便を受け取りたい、という要求を持っていることが見えてきました。そこで、戦略的ゴールを「郵便受けを修繕する」ことに設定し直したそうです。
これによって住民たちは立ち上がり、市に問題を認識してもらって、郵便受けを直すことができたそうです。この結果住民たちも「自分たちも立ち上がればできる!」と自信をつけて、次に貧困層住宅への予算の増加というゴールに取り組んでいったそうです。

3、どうしたら持っているものを必要な力にかえられるか

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ここでは仮説を立てます。これは社会運動、NPO、社会起業家が最も重要視しているものです。仮説をたてることなく、やみくもに目の前にあることだけをやっていくというのは大抵効果的ではないからです。

仮説をたてるための質問

・ほしいものを手に入れるために必要なものは誰が持っているか
・その人がほしいものは何か
・その人がほしいもので私達が持っているものはなにか

例えば、地域で託児所を増やしたいという戦略的ゴールがあったとして

この実現のためには、自治体(首長)の合意が必要です。(誰が持っているか)

首長は翌年選挙を控えていて再戦したいと考えているのであれば、その再戦が首長のほしいものです

ここでいう私達がもっているものは自治体みんなの票です。

これらを整理することで次の戦術を考えるときに効果的な策を考え出すことができるようになります。

戦術は何か

そもそも戦略と戦術ってどう違うか、ですよね。(ぼくもピンときませんでした)

戦略とは、ゴールに向かうための方向性

戦術とは、戦略を具体的に実行する手段のこと

です。

首長の関心である再戦というほしいものに関連させて自治体のみんなが行動を起こす→これが戦略

そのために、みんなでアンケートをとろう→これが戦術です。

よく聞くデモや署名運動も戦術の一つです。

大事なのは、その戦術が戦略(方向性)にあっているかどうかなので、なんでもかんでもデモをすればいいってものじゃないことがここからもわかります。

ここでのポイントはさっきの戦略的ゴールのときとほとんど同じ

・みんなの資源をうまく使えているか
・みんなの力が増すか
・ゴールにつながるか
・楽しんで参加できるか

です。

さきほどの託児所の例だと、

・自治体に住むたくさんの親たちが困っているということを示すアンケート結果や経験談をまとめて、みんなで首長に提出する。
・大きな会場を借りて住民たちに集まってもらい保育政策について討論をする。
・自治体の保育政策の問題点を知らせるチラシを手分けして配るなどして、首長の関心を引く

などが戦術にあたります。(いかに楽しんで参加できるか、を工夫できるかが鍵ですね)

行動計画

これは絵の方がわかりやすいと思います。(本から引用させてもらいました)

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期限から逆算して戦略的ゴールをつくり、そのために戦術をどう配置していくのかをまとめたものです。

大事なのは、戦術のたびに一度それらを振り返ってその成功を一緒に喜んだり、休むという点です。

あくまで大事なのは戦略的ゴールの達成であり、そこに至るまでに燃料切れがおこらない設計が大切ということですね。

おわりに

ということでこれまで3日間かけてコミュニティオーガナイジングについてまとめてきました。

まだまだ日本には馴染みがない手法ですが、NPOや社会起業家が少しずつ増えてきているからこそ、この手法にふれる人が一人でも増えてくることを願いします。(だってアメリカの大統領だってこれで勝ち取れたってすごくないですか!?)

なんでも、仕方がないよね

って諦めてしまうのではなく、

仕方があるんだ!と知ること

そうやって一人ひとりが社会に対する見方を変えて立ち上がっていくことで社会はみんなが望む形に少しずつ変わってくるのだと思います。

一人では微々たる力、だけどみんながまとまっていくことで大きな力になる

コミュニティオーガナイジングで

「みんなが参加」、「みんなの力が増す」、「みんなの資源が使われるか」

を大事にしているのも、この方法で何かを成し遂げたあと、さらに次の波を一人ひとりが起こせるように、と考えられたのだと思います。

このタイミングでこの本に出会えたことに感謝です(奥さんがたまたま借りてました)

今日もここまで読んでくださってありがとうございました。

また いつも スキ いいね コメント ありがとうございます。

これからもどうぞ、よろしくお願いします。

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