どもるって何?【吃音について正しく知ってほしい】

おはようございます。”おこめさん”です。

みなさん、どもるって言葉聞いたことありますか?

実はぼくの5歳の息子はしゃべるときにどもりがあります(波があります)

息子のことをきっかけに吃音について少しでも勉強しようと思って、読んだ本の中には、ぼくが知らなかったことがいっぱい。

そして、正しく知らなかったことで、どもってしまう息子に「落ち着いて話をしたらいいよ」「ゆっくりね」と言った言葉をかけていて、もしかしたら息子を傷つけてしまったこともあったのかなぁと今では反省しています。

知らないことは人を傷つけてしまうことがある

心に刻みます。

そして、皆さんにも吃音について正しく知ってほしいと思ってここで書くことを決めました。

学校では教えてくれない「吃音って何?その1」編です。
(学校でも学年に一人はいます)

参考

おこめさん→現在育休中の2児のパパ。教員10年目。2021年4月に独立し、6月にオンライン塾を開校予定。

※ここでいう学校では教えてくれないというのは、公教育の土台の中にこのカリキュラムが組まれていない(そんな隙間がない)ということで、熱心な先生の中には個人的に伝えている方もいらっしゃいます。ただ、仕組みとしてはそうなっていないよね という問題提起も含めてです。

どもるって何?

そもそもどもるって何でしょう。

正式には吃音(きつおん)といいます。

吃音持ちの人は人口100人に対して1人くらいの割合だそうです。

いわゆる、「あああありがとう」(連発)っていう話し方や

「あーーーーりがとう」(伸発)っていう話し方

「………ありがとう!」(難発)という話し方がそれにあたります。

話し言葉が滑らかにでない発話障害で、発達障害の位置づけです。

有名人では
小倉 智昭(とくだねキャスター) 田中 角栄(総理大臣)
ウィンストン・チャーチル(イギリス首相) ブルース・ウィルス(俳優)
マリリン・モンロー(女優)

と一度は耳にしたことがある人も実は吃音持ちだったりします。

最近では アメリカ大統領のバイデンさんがどもりながらスピーチをしていることで話題になりました。

吃音について取り上げようと思った理由

画像1

もちろん、息子のこともありますが、一番は世の中の多くの人が吃音について間違った認識をもってしまっているということです。
(なんとなく知っているからこそ、深い気がする)

ぼくもこれまで「吃音がある」生徒の担任を持ったことがありました。

「小学校のときに言葉の教室に通っていて、今はほとんど出ないですが、先生には伝えておきます。」

と保護者から言われました。

ぼくの認識としては吃音がでたときにどう対処するか、まわりに変な様子がないかをしっかりと見守ることが大事

でした。

もちろん、それも大事なのですが、吃音はでないからそれでいいってものでもないのです。

実は本人の中で出ないように言葉を変えていることがある

吃音が出そうなときはわざと黙る

などもあるからなんです。

ぼくのように吃音を表面的なものだけで認識してしまっている人やそもそも間違った捉え方をしてしまっている人は多いだろうと感じたからです。

何が原因なの?

画像2

ここからは吃音を専門にされている言語聴覚士の堅田利明さん、ドクターの菊池良和さんの著書から引用しながら解説していきます。(これが今の最新の認識)

まず、原因となるのは遺伝的な要因が8割といわれています。これは吃音そのものが遺伝するということではなく、ちょうど親子で顔が似るように、吃音症状が出やすい体質というものが受け継がれるということだそうです。(遺伝で伝わっていても出てこないこともある)

残りの2割は「何らかの刺激」と言われています。これは何も悪い刺激というわけでなく、温かで丁寧な子育てをしている家庭の子どもでも発吃することもあるし、その真逆であったとしても発吃しない子どももたくさんいます。

大事なのは「親の子育てや家庭環境によって発吃するものではない」ということです。

ここの捉え方を誤解している人がたくさんいると思います。

よく吃音が出た子どもを見た時に、「子どもの環境がガラっと変わってしまったから」「親の愛情不足だから」もしくは子ども自身が「ストレスをためやすい性格だから」「話をしたいことがたくさんあるけど口がついてきていないから」といったことが聞かれますが、これら全てが間違いだということなのです。

吃音がでる
→そのときの子どもたちの環境や性格の共通点を探ろうとする
→環境の変化があった、内向的な子がいた

となっているため、このような形で伝わることが多かったようですが、子どもに吃音が出始めるのは2~5才ごろと言われていて、この3年間で環境がかわる家庭というのは珍しいことではありません。

保育所や幼稚園に通わせだした、
下の子がうまれた、
親が育休から復帰した、
父親が単身赴任した

そんなことはどこの家庭にもよくある話です。

これらの環境の変化と吃音がでやすい時期が重なっていることで、誤解がうまれてしまっているのです(吃音は遺伝的なもの)

でもこの誤解がとかれないと、子どもに吃音がでたとき、その親は「自分の愛情不足のせいだ」「かまってあげられないときがあったから」と自分を責めてしまいます。

そして次にも解説しますが、多くの場合は就学前後に自然となくなります。
それを」〇〇したから治ったんだ」と捉えてしまうと、吃音が収まらなかった人の親に対してのプレッシャーがより高まるという悪循環になります。

吃音者が生きづらい世の中になってしまう原因もこの誤解からきていることが多いと思います。

治せるの?

画像3

現在吃音を治す方法は確立されていません。

だから、言語訓練をすることの目的は治すことではなく、「今よりもう少し楽に話せる話し方を一緒に考えながら取り組むこと」だそうです。

吃音との付き合い方を考えるということです。

そして吃音は就学前後になって自然に消えていくことが多いのはわかっています。
何かをしたから消えたということではなく、自然と消えていくということだそうです。(2割くらいの人は大人になっても吃音はあります)

なので、「治せるか?」に対しては「わからない」だそうです。
(何かをした結果として吃音がなくなるということではない)

では、自分が話す時に吃音がでてしまうのが嫌だと感じている子に対してはどうしてあげることが大切でしょうか。

根本的に治す方法がわかっていないのだとすると、親としてはどうしてやることが大切でしょうか。

吃音を治すために訓練する 
のではなく(訓練しても治るものではない)

「吃音がでてもいいんだよ」
「吃音を出しながら話すのがあなたの話し方」

というようにありのままの子どもの姿を受け入れてあげること、そして吃音とうまく付き合っていくための方法を一緒に学ぶことではないでしょうか。

「早く治ったらいいのにね」と伝えることによって、自分ではどうしようもない吃音は「治すべき悪いことだ」と捉えてしまうことにつながります。

そして吃音の段階がより悪化してしまうということがよくあるケースだそうです。(明日詳しく書きますが 難発で声を出そうとして顔を真っ赤にして話したり、体を揺すってなんとは話すっていう形になってしまうこともある。またそれらによって性格まで変わってしまったりもあるそうです)

どうしようもないことだからこそ、子どもの思いにしっかり寄り添い、そのままの子どもの姿を受け入れる

これが大切なのだと思います。

おわりに

正しく知るということは大変重要です。

知らないことによってまわりの人を傷つけてしまっていることもあるわけです。

ぼくにもまだまだ知らないことはたくさんありますが、知らないということを自覚し、知ろうとすることが大切なのだと思います。

とくにこの吃音ということに関してはなんとなく知っている、という人がたくさんまわりにいます(ぼくもその一人でした)

吃音がでたときに「ゆっくり、落ち着いて話をしたらいいよ」と言って練習したとしても、吃音がでるときはでるし、でないときは出ない。

そんな波があったりするのも吃音が理解されにくい原因の一つだと思います。

明日も今日に引き続き、吃音についてまとめていきます。

もしよければ明日も読んで下さい。

今日もここまで読んでくださってありがとうございます。

また、いつも スキ イイネ コメント ありがとうございます

これからもどうぞ、よろしくお願いします。

最新情報をチェックしよう!