たったひとつの個性【科学的事実から考える】

おはようございます。”おこめさん”です。

今日はタイトルにある通り、個性について考えていきます。

というのも、

一人ひとりが違った個性を持っている
だからこそ、かけがえのない存在である

そういう言葉って聞いたことがあると思いますが、その言葉だけでは思春期の子どもたちに届かないことってあるんです。

今日は道徳的な話とは違った角度から個性についてまとめていきます。

学校では教わらない「個性を科学する」編です。

おこめさん→教員10年の末、独立した2児のパパ。オンライン塾 おはこやを運営中。

参考

はずれ者が進化をつくる

個性の確率

まずはここから考えていきます。

そもそも人は23対、46本の染色体の組み合わせでできています。

子どもは親から2本ある染色体のうち、どちらかを引き継いでいくことになります。母親から1本、父親から1本の染色体を引き継いで、23対の染色体を作っていくのです。

ではこの組み合わせの違いがどのような多様性を作り出していくのか考えていきます。

1番目の染色体(全部で23番目まで)で、片親の持っている2つの染色体のうちどちらを選ぶのかは2通りです。

2番目の染色体でも同じように2つの染色体のうちからどちらかを選ぶのでここでも2通り。

つまり1番目の染色体と2番目の染色体の組み合わせは2×2=4通りということになります。

3番目の染色体でも2通りの選び方があるので、組み合わせは2×2×2=8通りです。

これらが23対の染色体に対してあてはまるので、2×2×… を23回繰り返すことになり、組み合わせは838万通りになります。

さらに、これは片方の親から選んでいっただけなので、もう片方の親から同じように選んでいく作業が入ります。

つまり全体の組み合わせの数は838万×838万となり、70兆をこえる数となります。

さらにさらに、2つの染色体の一つを選び出す過程で、染色体と染色体の間でその1部が交換されてしまうことがあるそうです。

こうなってくると70兆どころではない組み合わせとなるわけです。

そうやって生まれてきたヒトが天文学的な確率で出会い(生涯に約3万人と出会える計算で 世界人口72億人の中ではたったの0.0004%)、その二人から次の世代が生まれるわけです。

すごい確率で生まれてきた一人ひとりが出会って、次の世代へとつなぐという命のバトンがこれまでも繰り返されてきたのです。

この時点で自分は過去にも未来にも一人として存在しえない唯一無二の存在であることがわかります。

よく個性について、人と違っている、変わっている人と捉えられることがありますが、そうではないわけです。

みんな違うんです。

みんな個性的なんです。

DNAの98%

ここまで説明に出てきた染色体はDNAというもので出来ています。

このDNAの中には、ヒトをつくる設計図のようなものが組み込まれています。

この設計図のお陰で、常に自分の特徴が誰かにとってかわるってことがないわけです。(新しく生えてきたつめも必ず自分のものであるし、毎日新しくできてくる皮膚も自分のもの)

でも、ヒトの共通の特徴である、目がある、口がある、耳がある、というヒトらしさのようなものに使われているDNAはたったの2%ということがわかっています。

残りの98%は使われていないとか、超人的な力を秘めていると思われてきましたが、最近の研究でこの98%がヒトの個性を表す部分(性質や性格の差を生み出すもの)ということがわかってきています。

そう考えると、人はDNAのほとんどを個性を生み出すために使われてきたということが見えてきます。

人は一人ひとり違う

だからこそ、人は一人ひとり違うといえるわけです。

みんなそれぞれまったく違う形をしているわけです。

それをある一定の形に収めようとしてしまうから、いろんなところで不具合が生じるのだと思います。

多くの場合、一定の形に収めないとその子が将来困るだろう、という大人の「よかれと思って」やってしまうことが多いのですが

実は実は、そうやって個性を削り、形にはまった人ばかりが集まったところにはイノベーションは決して起きなくて、これからの時代、ひとりひとりの個性自体を尊重することがより求められてきます。

大事なことはその子を一定の型にはめようとするのではなく、その子にあった場所を見つけてそこに出会わせることなんです。

だからこそ、子どもたちにとっての多様な居場所というのは絶対に必要で、その子がその子らしさを見失ってしまう前にその子にあった場所でその子らしさを認めてあげれたらいいのです。

個性をもったいろんな子たちが安心していれる場所を、もっともっと増やしていけたらいいですね。(社会全体の課題)

おわりに

今日は個性について科学的な視点からまとめてみました。

子どもたちにはいろんな視点から伝えていける方がいいと思っていて、それこそ一人ひとり考え方や感じ方が違うからこそ、こういった視点からも「自分が世界にたった一人」「大切な個性をもった一人」ということを伝えられたらとの思いで、書きました。

大人にもいろんな考え方の人がいて、いろんな生き方をしている人がいます。

子どもたちにももっと多様な生き方、学び方ができる未来を作っていきたいです。

今日もここまで読んでくださってありがとうございました。

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