おはようございます。”おこめさん”です。
今日は自分の中でぼんやりとしか答えの出ていないことについて考えていきます。
テーマは吃音と自信です。
最近、読んだ本の中にこれについて考えさせられる部分があったからです。
その部分を紹介しつつ、ぼくなりの考えをまとめていきます。
参考
おこめさん→教員10年の後、4月から独立、6月からオンライン塾を開校予定。2021年3月末まで半年間の育休取得の2児のパパ。
目次
ボブ=ラブという生き方
NBAにボブ=ラブという選手がいました。
シカゴ=ブルズでエースとして長年チームを支え、10番は永久欠番になっているほど。
この人には重い吃音があって、高校時代にしていたフットボールではクォーターバックという役割になり、かなり苦労をしたそうです。(チームへの指示出しの役割)
そこで監督が「歌うように言ってみたら?」
というアドバイスをくれて、そこからは歌うようにチームに指示をだし、上手くいきました。
その後、奨学金をもらってスポーツ推薦で大学に進学。NBAのドラフトで指名をうけ、様々なチームで活躍します。
1971、72年にはシカゴ=ブルズで当時記録的な57勝をあげました。
引退後、ラブは自分の名声をいかしてチームの宣伝役を務めたり、講演をしたりという仕事をどれも断ってしまいました。
自分の吃音があるという理由で。
その後財産をすべて使い果たしてしまい、ついには一文無しになってしまいました。
ラブは生活のために食堂でのアルバイトをはじめます(時給600円)
オーナーが熱心にはたらく彼をみて、どうしてトップスターがこうなってしまったのか、純粋な思いで聞いてみたそうです。
ラブはそれまでの人生のこと、吃音のことを話しました。
オーナーは「言語治療をうけたことがあるのか?」とラブに聞きます。
これを受けたことがなかったラブのために、オーナーは資金を肩代わりしておくりだしてくれました。
ラブは治療にはげみます。
セラピストのかたがどうしたら楽に声が出せるようになるのかを一緒に考えてくれたり、これまでのことを聞いてくれて心のメンテナンスもしてくれたのです。
これによってラブは吃音を克服できました。
(このとき45歳)
(克服というのは治るということではなく、人前でしゃべれるようになること)
こうして吃音を克服したラブはシカゴ=ブルズのコミュニティ=リレーションズのディレクターになりました。つまり人と会って話をする仕事です。
人前で話す講演会にも挑戦します。
現在、ラブは全米で5本の指に入る名スピーカーに選ばれていて、年に300回程度の講演をしたり、25万人以上の聴衆の前でスピーチをしたりしているそうです。
ラブの人生から学ぶこと
NBAで大活躍するようなすごい人でも、吃音にきちんと向き合っていなかったら、それに直面せざるを得なくなると意外ともろいということ。
何かができるということと(それによる自信)と吃音と向き合うということは別物であるということを教えてくれている気がします。
よく吃音を持つ親が「この子に自信をつけさせてやりたい」というそうです。
親心でとっても共感できます。
だけど、自信をつけることと吃音と向き合う、克服するというのは別なのかもしれない。
そう感じられたのです。
スポーツで実力をつけて、そこで活躍できるようになれば自信が身につき、吃音がありながらでも話せるようになる、
このように考えるのは安易なのかもしれません。
吃音をごまかして考えないようにしながら生きていったとしても、いつかどこかで向き合わないといけなくなる。
吃音のある人にとって大事なことは、
別のなにかで自信をつけることよりも
自分の吃音そのものとしっかり向き合い、考えて乗り越えていくこと、そして吃音をコントロールできるという吃音に関する自信のようなものが大切なのだと思います。
吃音のある子を持つ親ができることは、
吃音が出るのが当たり前、それが自然、それがあなた
という、ありのままの姿を受け入れてあげること
そして、出さないようにすることの意味を一緒に考えてあげること(吃音はマイナスじゃない、けどいざという時にコントロールする力をつけること)
また、家の外で嫌なことを言われたりしたときに、共感したり、一緒に悩んだり考えたりしていくこと。(もちろん今わかっている科学的事実を伝えることも大事)
おわりに
ここまで書いてみて、これって吃音に限った話じゃないのかも
そうも思えてきました。
自分自身のマイナスな面、それらをいくら見ないようにしたとしても、本質は変わらない。
別のなにかで自信をつけて、克服したかのように振る舞うことはできるかもしれませんが、やっぱり大事なのは自分がそのマイナスと向き合うこと
本当の意味で苦手やマイナスを克服することで、何物にも変えられない自分自身への自信というものが身につくのかもしれません。
今日もここまで読んでくださってありがとうございました。