おはようございます。”おこめさん”です。
最近はまっている本の中に「銃・病原菌・鉄」という本があります。
これは以前紹介した、「世界は贈与でできている」の著者が自分の世界を広げるための読書としておすすめしていた1冊です。
(他には、サピエンス全史などがありました)
早速読んでみたんですが、とっっっっっっってもおもしろい1冊です。
(まだ途中)
これまでの歴史を振り返り、支配をした側と支配を受けた側、その2つにはどんな違いがあったのかという観点で書かれていて、思わず時間を忘れるほど読み込んでしまいました。
(父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。でもこれについて軽く触れられていました)
だって、言われてみたら不思議じゃないですか?
どうしてアフリカはヨーロッパに植民地支配されたんでしょう?
アフリカがヨーロッパを植民地支配する、というカタチにはどうしてならなかったのでしょう。
同じことは世界中でいえることです。
それらを全部たどりながら、さまざまな因果関係を見ていく
そんな1冊です。
ということで、今日は その中でも スペインVSインカ帝国に注目し、その戦果をわけた大きな理由、読書についてまとめていきます。
学校では教えてくれない「読書が必要な理由」編です。
参考
おこめさん→教員10年の後、4月から独立、6月からオンライン塾を開校予定。2021年3月末まで半年間の育休取得の2児のパパ。
※ここでいう学校では教えてくれないというのは、公教育の土台の中にこのカリキュラムが組まれていない(そんな隙間がない)ということで、熱心な先生の中には個人的に伝えている方もいらっしゃいます。ただ、仕組みとしてはそうなっていないよね という問題提起も含めてです。
目次
スペインの勝利を決定づけた戦い
この戦いは、スペインがアメリカ大陸に上陸したのち、領土を増やしていく過程で起きた戦いです。
1532年11月16日、スペインの征服者ピサロと、インカ皇帝アタワルパがペルー北方の高地で出会いました。
アタワルパはアメリカ大陸で最大かつもっとも進歩した国家の絶対君主で、対するピサロはヨーロッパ最強の君主国であった神聖ローマ帝国カール五世の世界を代表していました。
このときピサロは168人のならず者部隊を率い、一番近いスペイン人居留地から1600キロ離れた場所で、必要となっても援軍を求めることができない状態でした。
一方アタワルパは何百万人の臣民を抱える帝国の中心にいて、他のインディアン相手に勝利したばかりの8万の兵士によって守られていました。
この圧倒的な差にも関わらず、
ピサロはアタワルパと目を合わせたほんの数分後に彼を捉えています。
そして、ピサロはその後8ヶ月間、アタワルパを人質に身代金交渉をおこない、世界最高額の身代金をせしめ、約束を反故にして彼を処刑してしまいました。
どうして、8万人の兵士に守られたアタワルパはたった168人のスペイン人相手に捉えられたのでしょうか。
その理由は4つあると書いています。
それが、病原菌、鉄、馬、そして読書です。
病原菌、鉄、馬
今日のテーマは読書ですが、その他の3つについても少し触れておきます。
まず病原菌ですが、新大陸にヨーロッパ人が上陸する際、すでにヨーロッパ人が免疫を獲得している菌であっても、新大陸の人々にはその免疫がない、という状態がおこりました。
このとき、ヨーロッパをかつて苦しめた病気が、その上陸と同時に新大陸に広がっていくのです。
なので、原住民たちは、ヨーロッパ人とだけでなく、はじめて出会う病原菌とも戦わないといけなくて、征服を容易にしていました。
ただ、アタワルパとの勝利については、直接的に病原菌が痛めつけたというよりは、病原菌の大流行を理由にインカ帝国内部で後継者争いが勃発、その内戦に勝利したあとに立ち寄った場所でピサロと出会ってしまった
という間接的なものです。
(ただ、病原菌が蔓延してなかったら、アタワルパがそこにいることはなかった)
次に鉄です。
インカ帝国の戦士たちは、棍棒が主な武器だったのに対して、スペイン側は鉄鎧や鎖かたびら、鉄兜で守ることができました。
さらに、スペイン側がもっていた鉄製の武器に対してインカ帝国側の刺し子の鎖は身を守ることができなかったといいます。
そして、馬
スペインだけが騎馬隊を持っていたことも大きな戦力差として現れたそうです。
馬による攻撃は速く、機動性がありました。
高いところから戦う馬上の騎兵に、インカ帝国側の歩兵たちはほとんど手も足もでなかったといいます。
読書と戦闘?
最後に読書です。
でも、これだけはどうも戦闘と関係のないように感じられると思います。
しかし、この読書こそがスペインとインカ帝国の決定的な違いだったのです。
そもそもインカ帝国には読書どころか、文字というものさえ持っていなかったといいます。
一方文字を持つスペインは、本に様々な情報を記述することによって、口承よりも広い範囲に、はるかに正確に、詳細に伝えることができました。(読書)
インカ帝国よりも先にスペインによって滅ぼされていたアステカ帝国の情報はいち早くスペインに伝わっており、それらの情報をすでにもった状態でピサロはインカ帝国と対峙することができました。
対するインカ帝国は、中央アメリカ最強最大のアステカ帝国がスペイン人に征服されたことすら伝わっていませんでした。
さらに、文字のなかったインカ帝国には、戦争の手法などが伝承されておらず、かつて誰かが陥ってしまった罠に関する情報が共有されていなかったという大きな欠点があります。(騎馬の存在も知らなかった)
これは戦争毎にその戦術の幅をひろげていった、ヨーロッパ諸国との圧倒的な差となります。
結果、スペインはあの手この手でインカ帝国を騙し、罠にはめ、その戦力を確実に削っていきました。(アタワルパも騙され、ピサロの部隊の中に入ってしまった)
戦術に関する様々な情報を歴史とともに記し、それを学んだものとそうでないものとのでの戦いは、400倍近い戦力差を逆転させるほどの大きな違いだったのです。
今にも通じること
このことは、現代のぼくたちにもあてはまります。
歴史から学ばないということは、まるでインカ帝国のような状態、つまりアタワルパがピサロに捉えられてしまったように、大きな損失となるということです。
歴史といっても学校の社会の「歴史」分野だけを学ばないといけないという意味ではありません。
そもそも数学も理科も国語も先人たちの様々な研究の積み重ねによって作られていったものです。
これまでの積み重ねがあって今の知見があるわけです。
最低限でも学校で学ぶ意味はここにもあるのだと思います
(もちろん、自分の興味関心があることが第一だとも思います)
さらに大人であっても、過去から学ぶことはとっても重要なことです。
ビジネスでも、過去にどのような形態がうまれ、それがなぜ失敗していったのか、そんな歴史を知ることで同じ失敗をさける大切な防具となります。
逆にたくさんの積み重ねの上に成り立っている今のビジネスモデルを学ぶことは、成果を出す上で必須の武器となります。
どんな分野にもある程度歴史はあります。
それを学んだ上で今を生きることは、大人であっても大事なことなのだと思います。
おわりに
今回は本から学ぶことの大切さについてでした。
ただ、今の時代は本だけにこだわる必要は当然なくて、過去から学ぶという目的であれば、それはスマホからでも情報にアクセスすることは可能なわけです。
大事なのは、情報を持つこと。
持つものと持たざるもので、大きな差が出たことは歴史が証明しています。
いくつになっても学び続ける(広い範囲で)
それがぼくたち大人が子どもたちに見せるべき、かっこいい姿なのかなって思いました。
とりあえず、ぼくは「良い戦術、悪い戦術」という本を読んでみようと思います。(また紹介します。)
今日もここまで読んでくださってありがとうございました!