おはようございます。”おこめさん”です。
貧困って聞くと、何をイメージしますか?
「ハゲワシと少女」にあらわれる食料的な貧困でしょうか。
そう考えると日本にそのような貧困があるとはなかなか考えづらいですよね。
ですが、国連で2010年に採択された世界全体の目標SDGsには
一つ目に「貧困をなくそう」があります。
二つ目が「飢餓をゼロに」です。
つまり貧困=飢餓
だけではないってことですね。
そう捉えると日本にも貧困が広がっているということが
少し実感できるかもしれません。
今日は世界と日本の貧困という内容で、「2030年の世界地図帳」という本をもとに、紹介していきたいと思います。(明日は、その貧困を解決するための教育という形で記事を書きます)
参考
おこめさん→現在育休中の2児のパパ。教員10年目。子育て、教育に関して毎日発信中
目次
世界の貧困
まず貧困の定義ですが、SDGsでは「1日1.25$未満で暮らす人々」を「極度の貧困」と定め、2030年までにそうした貧困をなくすことを目標の一つとしています。世界銀行は物価変動を踏まえて「1日1.9$未満で暮らす人々」を「国際貧困ライン」と定めました。
また、金銭的な面だけでなく「多次元貧困指数」という指数も登場し、教育、健康、住環境などの側面も取り入れて、どんな種類の貧困に直面しているのかがわかるようになっています。
では、どれくらいの人が貧困に直面しているのか。
国際貧困ライン未満の生活をしている人は世界で7億3600万人(世界銀行2015年)いるそうですが、その半数以上がアフリカ諸国に暮らす人々だそうです。
アフリカはいつからこうなっているのでしょう。
なにが原因なのでしょう。
それは過去にあるといいます。
①西欧諸国に振り回された歴史
16世紀以降の奴隷貿易、19世紀以降の植民地支配、第二次世界大戦後の独立を経たあとの冷戦による代理戦争。
これらによって長く振り回された歴史が関係しています。
さらに、それらから開放された後も、いわゆる先進国が辿ってきた、近代化までのさまざまな試行錯誤なしに、世界に放り出されてしまったので近代的な制度が定着しにくくなっています。(選挙制度や国民主権の考え方など)
これらの改善のためには、国民の教育から行う必要がありますが、その必要性も伝わりきらない問題が多数あるといいます。
②開発を阻む 資源の呪い
資源と聞くと、ポジティブなイメージしかなかったのですが、資源があったお陰で貧困になっているというのですから驚きです。
豊富な資源を持つ国の為政者は、その資源の採掘の利権を販売したりするだけで莫大な資金を得ることができます。
そこで資金を得られるから、わざわざインフラの開発努力や教育の拡充、二次産業、三次産業の育成をすすめる必要がありません。
また、税金として国民からお金を徴収する必要もないので、国民と国家の「社会契約」の必要もなく、独裁国家になりやすく、富の再分配が行われなかったといいます。
このような貧困を解決するために、お金をアフリカに支援する という方法があまり意味を持たないことがわかると思います。
ここでも、根本的な教育から変えていく必要があると感じました。
いわゆる先進国でされているような歴史教育や社会教育を経て、自分で考え問題意識をもった多くの国民が必要になってきているのだと思います。
日本の貧困
ここまでは、世界(主にアフリカ)の貧困についてでしたが、日本にも貧困が潜んでいます。
金銭面では、GDPから換算すると日本人一人の一日あたりの購買力は121$あり、国際貧困ラインの60倍も豊かということになります。
しかし、この数字は生活実態まで表せていません。
つまり、先進国では物価が高く、インフラへの依存度が高い分、ある程度の収入がないと「健康で文化的な人間らしい生活」が維持できないわけです。
これらを相対的貧困といい、定義は全世帯所得の中央値の半分以下とされています。
日本の全世帯所得の中央値が244万円なので、その半分122万円以下が相対的貧困にあたるそうです。
厚生労働省の調査によると、日本では相対的貧困層に全人口のうち15.7%、つまり6人に1人があたるようです。
OECD加盟国の平均が11.8%なので、かなり高い方(36カ国中下から9番目)であることがわかっています。
日本は世界的に見ても格差が大きい国なのですね。(ちなみにアメリカはもっと広がっています)
そして、先進国の中でも特に不利な立場に置かれている社会的弱者と考えられているのが、「高齢者」と「シングルマザー」と「子ども」だといいます。
この三者の貧困は、単に生活に困窮するだけでなく、貧困によってその先の人生の選択肢を限定され、復帰が困難になるケースが多いことも問題視されています。
高齢者の貧困
日本の高齢者(66歳以上)の貧困率はOECDの調査によると、19.6%(5人に1人)で、生活保護受給者の47.4%が高齢者というところからもその問題が見て取れます。
体力が衰え、持病も増える高齢者は一度貧困層に転落すると、そこからの自力での脱出は難しく、未来への可能性が閉ざされた立場にあるというのも問題です。
これらの問題のために、政府は2017年に「人生100年時代構想」を掲げ、これまでの、教育(20年)仕事(40年)老後(20年)という三段階の人生設計を見直し、長い老後を生産的に過ごすために、中高年の転職や学び直しを含めた多様なキャリア形成が求められる時代になるとしています。
まだまだ社会の目として、転職や独立に対してのハードルが高い点をいかに低くしていくかも課題の一つかもしれません。
シングルマザー、子どもの貧困
OECDの調査によると、日本の就業しているシングルマザーの相対的貧困率は54.6%、実に半数以上が貧困層となっているといわれています。
これは先進国の中で飛び抜けて高い数字です。(アメリカで35.8%)
これは雇用形態の問題があるといいます。
就業しているシングルマザーのうち、48.4%がパートや派遣社員といった非正規雇用です。妊娠、出産後の雇用機会が限られているという制約がそのまま貧困に陥る原因となってしまっているのですね。
さらに日本の子どもの貧困率は13.9%(OECD2015年)で17歳以下の子どもの7人に1人が経済的に困窮した状態にあります。
子どもにとっての貧困は学校生活や友達関係の中で、差別や同情の視線に容赦なくさらされる可能性があり、拭い難い劣等感を植え付けられる危険性があるといいます。
さらに、貧困によって教育の機会が奪われてしまうことになると、貧困の再生産に陥る、世代を超えて格差が固定されてしまう懸念があるのです。
これらの解決も教育が大切な要素になってきます。
おわりに
今日は世界的に解決するべき問題「貧困」についてまとめてみました。
今回参考にした本は、どこかで一度は耳にしたことのあるようなデータや話をそれぞれの点をつなげるようにまとめてくれていて、一つの大きな問題意識をもつきっかけになれる本です。
まだ読まれていない方はぜひ一度目を通してみてください。
そして、今回の貧困の解決に対して教育が重要な役割を担っていることは間違いありません。
明日は、これらについて、どう教育でカバーしていけるのかぼくなりにまとめてみようと思います。
もしよければ明日も見に来てください。
今日もここまで読んで下さってありがとうございました。
いつも スキ イイね フォロー コメント 本当にありがとうございます。
これからもどうぞ、宜しくおねがいします。