おはようございます。”おこめさん”です。
世の中には、さまざまな勉強法が存在しています。
アンダーライン、やみくもなテキストの要約、集中学習、自分の学習スタイルに合わせる、忘れる前に復習する
これらすべてが科学的に効果が低いと知っていましたか?
今日は、これらがなぜ効果が低いのか、そしてさまざまな研究で明らかになった科学的に効果の高い勉強方法【想起】について、二冊の文献からまとめていきます。
学校では教えてくれないシリーズ「勉強法①」です。
※ここでいう学校では教えてくれないというのは、公教育の土台の中にこのカリキュラムが組まれていない(そんな隙間がない)ということで、熱心な先生の中には個人的に伝えている方もいらっしゃいます。ただ、仕組みとしてはそうなっていないよね という問題提起です。
参考
おこめさん→現在育休中の2児のパパ。教員10年目。子育て、教育に関して毎日発信中
目次
有名な学習法の効果が低い理由
1、アンダーライン
アンダーラインをひくことで、ここが重要な情報だなと自動的に判断できるようになります。
だけど、それだけで 脳がこの情報は覚える価値のあるものだと考えるまでに至っていない という点が問題です。
それにも関わらず、アンダーラインを引くことで脳が満足感を感じてしまい、本質的な学習になっていないのに、そこで終わらせようとしてしまうことが効果が低くなる原因です。
2、テキスト要約
これは恥ずかしながらぼくも学校で意識的にやっていたことです。
何が問題かというと、この方法は非常に難易度が高いという点です。
要約には
・情報の全体的な流れを理解する
・テキストの重要なところをつかむ
・要点を一つの短い情報に再構成する
の要素があり、教育学の第一人者ジョン・ダンロスキー博士も「うまく要約するためには大学生でさえも長時間のトレーニングを行わなければならない」と言い切っているほどです。
これを何も考えずに、さまざまな学力をもつ教室で言い放ってしまうこと自体に無理があったのですね。
3、集中学習
これは多くの人がかつても実践してきた方法で、ブロック学習とも呼ばれている手法です。一つの科目、一つの単元を数時間のまとまった時間をかけて行っていく あれです。
これも 集中して知識を詰め込んでもその定着率は低く、1週間もすれば大半の情報を忘れ去ってしまう事実が多数のデータで明らかになっています。
(いわゆる定期テストに一週間前からのぞみ、そこそこ結果もでるのはこのことからですね。)
定期テストを最終目標にすればそれでいいのですが、実際は受験やその先ずっと使える知識同士のつながりを増やす ことなはずです。
でなのであれば、この方法はやはり効率が悪いものとなるわけです。
4、自分の学習スタイルに合わせる
これは直感的には正しそうなイメージがあります。
人はみんな違うのだから。
実はこれも、インディアナ大学が数百万人のデータ検証を行い、自分が好きなスタイルで勉強をしてみてもテストの成績は全く向上しなかった と報告があったそうです。
その代わり、成績が良い学生たちには ある特定の勉強法 を使う傾向が一貫して確認されたそうです。
5、忘れる前に勉強する
アメリカで行われたある実験では、復習のタイミングをさまざまなパターンにわけ、どのようなペースでおさらいをするのかを確かめたそうです。
結果は
・勉強の内容を忘れないうちに復習した生徒は、学期末の成績がもっとも悪かった。
・テストの成績が良かったのは、学んだことを”忘れかけた時点”で復習した生徒だった。
というものでした。
次の項目でも触れますが、大事なのは 忘れる前 ではなく 忘れたころ なのです。
効果的な学習法「想起」とは
「想起」
いわゆる思い出すという学習方法です。
(最近ではかなり有名になってきました)
さきほどの忘れる前の学習ではなく、忘れたころに思い出すというのはこのことです。
脳というのは、覚えるという過程にどれくらいの努力が必要だったか
これを重要視しています。
(もしくはどれくらいその情報が使われているか)
さっと教科書をみて、なんとなく覚えている つもりになっているものは
対して努力していないので、すぐに脳から忘れ去られます。
それに対して「想起」では、
あれってなんだったっけ?
う~ん……
と悩んで思い出す、もしくは(しっかりと思い出そうとしたあとに)思い出せなくてもう一度調べる
という過程をふみます。
そうすると
なるほど、この情報はどうやら大切なんだな
って脳が考え、知識を長くとどめておくこと(長期記憶)へとつながるわけです。
想起の具体的学習法【クイズ化】
これに最適な方法はクイズ化です。
何かを学んだ時にそれに関するクイズを作っておく。
後日自分が作ったクイズをとく。
これだけです。
ただし、ここで作るクイズは 一問一答のようなものではあまり意味がありません。
例、空気中に存在することができる水蒸気の量のことを何という?→飽和水蒸気量
そのときに学習したことを説明させるような内容にしておくと思い出す努力量が増えて脳への定着が増します。
例、飽和水蒸気量とは→空気中に存在することができる水蒸気の量。この量をこえた水蒸気は水滴となってでてきてしまう。これが結露とかだ。キャンプでテントの内側がぬれていたのもこれで説明できそうだ
このように一度作ったクイズを後日あらためてとき直す。
そして、説明できた としても きちんとその説明があっているのか、もっと詳しく説明できるポイントはなかったか を教科書を見直して点検する。
これによって脳に重要な情報だと認識させることができます。
想起の具体的学習法【間隔練習】
一言で想起といっても
簡単に思い出せること、すらすらと出てくることを思い出すことにはあまり意味がありません。
あえて、少し前に学習したこと(だけど次のテスト範囲)のようなものを思い出す ということを繰り返していくと定着しやすくなります。
これが 間隔練習 です。
さきほどの 集中練習とは違って こちらはあえて間隔をあけて勉強するという方法です。
その日の学習を帰ってきて復習する
↓
2日後にそれをもう一度復習
↓
2週間後にもう一度
と間隔をあけて復習するわけです。
さらにこの間隔練習に 交互練習、多様練習を組み合わせるのも効果的です。
交互練習はその名の通り、理科と数学を交互にする
多様練習は
理科の音分野を勉強したら、社会の戦国時代、その次に国語の文法
この3つの組み合わせを2周する
というものです。
(多様練習では、必ず3つまでにして、3つを同じ時間ごとに区切ること、1周する毎に休憩をはさむことが大切)
これらの学習によって、脳は忘れかけたことをもう一度思い出す、さまざまな情報にふれて整理しなくてはいけない という努力の過程をたくさん経験することができます。
想起のコツ【つながり、グループ化】
想起にはさらにちょっとしたコツもあります。
1つはつながりを増やしておくということです。
一つのことを学習したときに、これって○○とも同じだよな。
とすでに学習したことのある内容とつなげる、もしくは日常生活の何かとつなげておく。
こうすることで、さまざまな場面で想起するきっかけが増えていきます。
雲を見る→雲って何で出来てるんだっけ?→そういやヤカンの湯気もそうか→息が白いのもこれかな→そういえば車のフロントガラスが凍ってるのはこれと関係あるのかな→・・・
というように、つながりを増やせば増やすほど、一つのきっかけからたくさんの情報を想起する機会を得られます。
机に座って、ノートを開いて
さて、想起するぞ
とまでしなくても、日常生活と関連させておくことで、生活の中で想起の機会を得ることができます。
グループ化(チャンク化)
これは電話番号を覚えるときをイメージするとわかりやすいです。
090〇〇〇〇△△△△を覚えるとき
自然と頭の中で
090ー〇〇〇〇ー△△△△
と3つのグループにわけていますよね。
こうしてグループにわけた方が、頭の中が整理され、取り出しやすくなるのです。
グループ化は同じ教科内だけでするだけでなく、他の教科にわたってすることにも効果があります。
【雲に関して】
飽和水蒸気量(理科)%の計算(理科)雲を扱った話(国語)環境問題(社会)
などのように一つのことを複数のことと合わせてグループ化するというのがこの方法です。(さきほどのつながりと似ていますね)
おわりに
今日は科学的にその効果が証明された勉強法
想起 について
まとめてみました。
次回(明日)は再言語化とその他のテクニックをDaiGoさんの本から紹介していきます。
これらのテクニックを伝え、横について一緒に学習してあげることで
やみくもに勉強に挑んで悩んでいる子どもたちを救えるはずです。
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