おはようございます。おこめさんです。
少し時間があきましたが、今日は統計学関係のお話パート3です。
題して学校では教えてくれない「エビデンスの高い情報の探し方」編です。
参考
おこめさん→10年間の教員勤務の末、学校と既存の塾だけでは届ききらない教育を感じて独立。オンライン塾おはこやの運営や、学校(やそこに通う子どもたち)を支えるための取り組みをすすめている。
目次
これまでのおさらい
第一回https://note.com/embed/notes/n21fcf6a6c969
なぜ、統計学が必要なのか、という根本を19世紀におきたコレラの大流行を起点に解説しました。
データを正しく集め、そこから分析するという手法がいかに科学的に優れているか、それを扱わない手法と比べてまとめてみました。
第二回https://note.com/embed/notes/n4bf59232ba29
第二回では、そもそも情報にはレベルがあるという話でした。
エビデンスに基づいた〇〇ということをよく目にしますが、一言でエビデンスといってもその差はかなりあって、動物実験レベルでのエビデンスと、メタ解析レベルでのエビデンスでは大きく信頼性に違いがあります。
この視点をもっていることも、世の中の情報を正しく見ていく目を持つという意味で大切になります。
ということで本日の本題です。
最善の答えは公開されている
統計的レビューとメタアナリシスの結果(エビデンスのレベルが高い情報)は人類全体で共有すべき情報です。
これらは今やGoogleの検索から探してくることができます。
▼一つはGoogle検索に、 meta-analysis or “systematic review”を含む検索を書ける方法。これは直に上記のエビデンスを探しにいくのに使えます。
▼もう一つはGoogleが提供するGoogle Scholarを使うという方法です。
こちらは、「重要度の高い文献ほど上位に」という機能も実装されているようです。
(日本語の文献検索のものもありますが、そこで検索をかけてもほとんど欲しい情報が得られないことが多いので、今回の記事では省略します。)
実際に探してみる
雇用問題の政策 についての情報を探しにいくとして、そのときの検索に関しても詳しく書かれていました。
まず、調べたい単語を英訳します
雇用はEmployment 政策はPolicy
そこからエビデンスレベルを指定します
統計的レビューなら、Systematic Review
ランダム化比較実験ならRandomized
などをセットにして入力すればOKです。
筆者がGoogleで「Employment Policy Meta-Analysis」と検索してみたところ、「Active Labour Market Policy Evaluations:A Meta-Analysis」というタイトルの2010年にかかれた論文が見つかったようです。
直訳的に読んでみても「労働市場政策の評価」に関するメタアナリシス論文ということがわかります。
つまり労働市場政策において、どのようなものが有効なのかを探すのに、参考になりえる文献ということです。
ここからは最初の冒頭にかかれている要約を日本語訳したものを読んでみて、以降のグラフや表にまとまっている部分を理解するのに必要な情報(軸の値や注意点など)にしぼって日本語訳をしていけば、あらかたほしい情報は手に入るといいます。
筆者の思い
「統計学が最強の学問である」を書かれた西内さんは、最後にこう書かれています。
統計リテラシーさえあれば、少し調べただけで建設的な議論がはじめられる。現場の実務者や専門家である研究者が日頃から政策などの成果を実証せず、彼らの仕事を批判する評論家や政治家がろくに論文も読まず、無責任な意見を述べる。一方、彼らの仕事を評価すべき市民側にそうした現状への問題意識がない。
これらをひっくるめて、「日本全体の統計リテラシー不足」ということができて、社会や政治に関する問題についても経験と勘だけの不毛な議論が尽きることがない。
日本で繰り広げられるこの「不毛な議論」を終わらせ、よりよい日本を作るためにも、この本で身につけた武器と教養はきっと役に立つはずである
おわりに
習ってないので知らないのは当然。そういう視点すら持てていないことがほとんどです。
だからこそ、このような「情報レベル」についてや、「情報の探し方」だけでも知っておくことは最低限必要かと感じます。(深堀りするのは専門家に任せればいい)
おはこやでは、誰も教えてくれないけど、社会で大切なことを
1回15分で授業に仕上げて伝えていきます。
興味のある方はぜひ一度見学にも来てください。
今日もここまで読んでくださってありがとうございました。