あらゆるものは原子から出来ている①【賢い人≠すべてにおいて正しい】

おはようございます。”おこめさん”です。

突然ですが、こんな問いに対してあなたならどう答えますか?

「もしも、世界に一大異変が起こり、科学的知識がすべて失われて、ただ一つの文章だけしか次の時代の生物に伝えられない場合、最少の語数で最大の情報を込めた文章はどんなものか?」

この問いに対してカリフォルニア工科大学のファインマン教授はこう答えたそうです。

「あらゆるものは原子からできている」

今日はそんな冒頭から始まる

「世界史は化学でできている」より、今日、明日と二日間にわたって、原子の発見までの歴史をまとめていきます。
(元理科教師ですが、理科のことに触れるのは初めてかもしれません)

参考

世界史は化学でできている

おこめさん→教員10年の末、独立した2児のパパ。オンライン塾 おはこやを運営中。

そもそも身の回りのものって

何からできてるの?

こう聞かれたときに、どれくらい答えられますか?

木製の本棚であれば、「木からできてるよ」

そう答えられますね。

コップであれば「これはガラスで、これは陶器、これはステンレス?」

そんな風に言えると思います。

では、水は?

火は?

木は?

人の髪の毛は?

そう聞かれると



となりますよね。

人はかつてより、そもそも身の回りにあるものは何からできているのか

そんな究極とも言える問いに真正面からぶつかってきたのです。
(今でこそ、「はいはい原子ってやつからできてるんでしょ」なんて言えちゃいますが、一からそれを考えてみて、と言われたら頭がパンクしそうです)

最初は水

古代ギリシアで「すべてのモノは何からできているか」という問題を最初に深く追求したのがタレス(紀元前624~546年)という人物だそう。

彼は「すべての物質がただ一つの”もと”からできている」そしてその”もと”の名前を 水と名付けました。

確かに水は、熱すると水蒸気になるし、冷やすと氷になります。

カタチは変わるけれど、すべて水。決してなくならない

それがすべての”もと”と同じ性質をもっているとして、この”もと”の名前を水と名付けたそうです。(ただし、厳密には化学的な水と”もと”である水は別物として捉えていた)

このタレスをきっかけに多くの学者が何が万物のもと(元素)なのかを探求し、ある人は空気、ある人は火であると考えたといいます。

次に出てきた原子論

次に登場したのがデモクリトスです。(紀元前470年~380年)

タレスの登場からたったの100年近くですでに原子論を唱えていたというから驚きです。(すごくないですか?紀元前ですよ。)

デモクリトスの主張はこうです。

すべての物質はもとになる粒があつまってできていて、その元になる粒はそれ以上壊れることがなく、それ以上小さくすることもできない
(まさしく今の原子の性質と言われているもの。やっぱりすごい!)

そこでこの粒のことをギリシア語で「壊れないモノ」というアトム(原子)と名付けました。

また、この時点でなにもない状態(真空)が存在があるということを主張しています。

アリストテレスの登場で原子論はなくなる

デモクリトスの主張であった、原子論は、現代にも通じるほどよく考えられたものでしたが、

その後登場したアリストテレスによってその主張は否定されます。

アリストテレスの主張は、すべての物質は「ただ1種類の元素が元になり、そこから火、空気、水、土の4つの形をとる」という4元素説を唱えます。

アリストテレスがいうならば正しいのだろう、多くの人のこのような感覚と、原子論よりも受け入れられやすい説明により、またたく間にこの4元素説が主流になりました。

とくにヨーロッパでは19世紀までこの影響を受け続けたといいます。
(さらに真空という考え方も否定しました)

おわりに

ということで、今日は「あらゆるものは原子から出来ている①」としてアリストテレスまでの歴史をざっくりとまとめました。

一度デモクリトスが見つけた原子論でしたが、それをアリストテレスの主張にひっくり返されてしまいました。

アリストテレスはアレクサンドロス大王の家庭教師であったこともあり、大王が研究のための費用を惜しみなく与え、多くの弟子をもち、あらゆる分野について本を出したそうです。

今では「万学の祖」と言われるほどの人ですが、

それでも間違うことはあるということです。

「○○さんが言っているから間違いない」

といって、別の意見を排除することは、歴史にとって不易なことがあるということは知っておいてもいいかもしれません。
(クリティカル・シンキングも大切に)

今日もここまで読んでくださってありがとうございました

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