おはようございます。”おこめさん”です。
今日も前回に引き続き、「あらゆるものは原子で出来ている」の後編をまとめていきます。
昨日登場したアリストテレスが否定した真空や原子論がいかにして、認められていったのか、そこを深堀りしていきます。
おこめさん→教員10年の末、独立した2児のパパ。オンライン塾 おはこやを運営中。
目次
真空の存在
を証明しなさい
と言われて、パッとできますか?
すべてのものが何から出来ているのか、は何もない場所が存在するかどうか
にも関係しています。
アリストテレスは「自然は真空を嫌う」として
一見何もないような場所にも必ずそこを埋めようとする流れができるので、何もない状態というのは存在しない
と主張していたのです。
そこで「確かにそうだよな」で片付けるのではなく、
「アリさん言ってることホント?」って疑えるかどうかです。
そして、疑いを晴らすためには実験しかないのです。
どんな実験をすれば真空の存在が証明できるのでしょうか。
真空の存在がわかる
アリストテレスの説をストローで水を吸い上げることで考えてみます。
ストローを吸うと、口の中が空っぽになるので、それを埋めようとしてストローの先にある水が吸い上げられて口に入ってくる
ということでうまく説が通りそうです。(自然は真空を嫌う)
しかし、この説が本当に正しいのであれば、10メートルの長さのストローを使って下の水を吸い上げることも時間さえかければ可能なはずです。
しかし、実際はちがったのです。
鉱山で地下深くの水を汲み出そうとして手押しポンプで汲み上げていた時、地下10メートル以下の水はどれだけポンプを動かしても上がってこなかったのです。(厳密には10Mではなかったそうですが)
アリストテレスの主張が正しければここに10Mの限界なんてないはずで、ここに疑問を持ち、実験によって確かめたのがガリレオ・ガリレイの弟子、トリチェリでした。(1608年~1648年)(この時点でアリストテレスからかなり時間がたっています)
トリチェリは水の13.6倍の重さのある水銀を使ってある実験をします。
水銀で満たした水槽に、同じく水銀で満たした試験管を入れ、口を下にした状態で立てたのです。
すると隅々まで満たされていたはずの試験管の中の水銀がストンとある高さ(約76cm)まで落ちたのです。
そうするとさっきまで水銀が満たされていた場所は何もない状態になっているので、これで真空の存在を証明することができました。
徐々に元素があきらかに
アリストテレスの説よりも妥当な考え方を探す動きが、真空以外にも広がります。
ボイルは「ものは小さくて硬い、物理的に分割できない微粒子からできている」と唱え
ラボアジエは世界には33の元素がある、として元素表なるものを発表した。(ここにはまだ、熱や光が元素として組み込まれていた)
そして、ドルトンがかつて否定されて世に埋もれてしまっていたデモクリトスの原子論を確かなものとして
・モノはすべて原子からできている
・原子は生まれることもなくなることもない、それ以上細かくもならない
・原子には様々な種類があり、それぞれの質量は変わらない
・化学変化は結局、原子の組み合わせの変化である
という
現在の理科の教科書に載るような原子の性質を発見しました。
このことから、すべての物質の元をたどっていくと原子となり、すべてのモノはその原子の組み合わせが変化してできているということがわかってきました。
ぼくたちも宇宙
このことから、実はぼくたちの身体もかつて宇宙がはじまったビッグバンのときにできた原子の一部が使われている可能性があったり、
かつて亡くなったクレオパトラの身体をつくっていた原子の一部が使われているかもしれなかったり
そんなことにつながってきます。
大きな宇宙の営みの一部に人が存在している、
そんな気持ちにさせられます。
おわりに
すべてのモノは何からできているのか
多くの科学者が生涯にわたって研究し続けて、そのバトンをつないでくれた結果、今の時代にもたくさんの恩恵が得られています。
何より、当たり前だと思われているものを疑ってみる
それをいかに証明できるか実験してみる
それが科学の歴史なのだと感じます。
まだまだ読み始めたばかりですが、まだまだ面白い歴史が眠ってそうです。
また気が向いたらまとめるかもしれません。
今日もここまで読んでくださってありがとうございました。